「かわいいミニトマトを描きましょう」
小さくて可愛いミニトマト。初夏の野菜ですね。先日、お向かいさんから茄子やインゲン、トマト等々沢山頂きましたので、これを描いてみましょう。
先ずは、これから描こうとするミニトマトをしっかり観察することから始めます。焦って描き始めると失敗しますよ。形、色、影等、しっかり見ておきましょう。
①焦らない、焦らない

紙は、アルデバラン紙を使うことにして、さて、紙の大きさ(ハガキサイズ)に対してミニトマトが少し多すぎるかな。少し減らして、配置のバランスを見てみましょう。
②一番大事な構図の考察&決定!という程、大層なものではありませんが…

こんな並び方でどうでしょう?リズム良く並んでるかもですね。言葉を入れる場所もこの時、少しだけ考えておきましょう。画面のどこにモチーフ(美術でいう所の題材)を置くかというのは大切な事です。ハガキサイズとはいえ、その置き場所によって、絵の意味合いが変わってきたりします。とか、小難しい理屈があるのですが、ここではそんなこと忘れて好きなところに置いて描き始めましょう!何だかんだ考える前に手を動かし始めることも大切なことなのです。さて、HB~B位の鉛筆で軽く下描きしていきます。コツは、軽く薄い線を何本か引いていくことです。ここで注意することは、硬い鉛筆を使わないこと。力を入れ過ぎない事です。力を入れて線を描くと紙が鉛筆で凹みますのでそこに絵の具が溜まってしまいます。
③背景の着色方法に着目

背景に水を引き(塗り)ます。この時、絵の具は使いません。透明な水だけを塗ります。
④これぞ水彩画の醍醐味ウェットインウェット

濡れているところに薄く溶いた絵の具を置いていきます。塗るというより、置くという感じです。これを技法では、ウェットインウェットと呼びます。ここでは、ピンクを薄く溶いて全体に置きました。
この時、フラットに綺麗に塗る必要は全くありません。ムラが有ったりした方が面白いし、水を100%コントロールすることは出来ませんからね。偶然にできる絵の具の模様を楽しんでください。これこそが、透明水彩画の醍醐味です。
ちなみにウェットオンドライという技法がありますが、これは乾いた絵の具の上に水で溶いた絵の具を重ねる技法のことです。
⑤下塗りしましょう

背景が乾いたら、トマトに黄色(レモンイエロー)を薄めに溶いて下塗りします。この時、ハイライト(光が当たって光っている所)を残して塗ります。透明水彩画は基本、白色は紙の地色となりますので塗り残しというテクニックが必要となります。面倒くさい時は、全部塗ってしまって、仕上げの時、ハイライト部分に白色(不透明水彩)を塗っても全く構いません。誰に叱られることもありませんので、自由に塗りましょう!
⑥変幻自在の面白さ

トマトの下塗りが乾いたら、トマトに色を塗っていきますが、色を自由に変えます。ここが、絵の楽しい所。自由でなんでも有りです。写真と決定的に違うところですね。ちなみに、緑のトマトには、水色(セルリアンブルー)と黄色(レモンイエロー)とを混色して出来る緑色を塗っています。絵の具の緑色(ビリジャン)はあまり綺麗な緑色(生っぽい色)ではありませんので、植物の葉っぱとかを塗ったりするときは混色に少し工夫が必要です。
⑦影の色は黒色ではありませんよの意味

トマトに出来る影は、決して黒色ではありませんね。トマトの赤い色が下に映りこんだりするのでなかなかに難しいのですが、あんまり考え込むものでもありません。絵なんですから、自由(無敵な言葉)なのです。とは言え、初心者の方にとっては、難しいかも知れません。ここでは、影は涼しい色を使うこととしておきましょう。
さて、トマトの陰(影ではありません)の部分にそれぞれの暗い色を塗って、影には青とオレンジ色を混ぜて少し紫っぽい色を作って塗ります。 絵の具の名前で言えばウルトラマリン+バーミリオンです。
⑧絵てがみに命を吹き込む言葉選び

絵てがみは文字を入れて初めて絵てがみとなります。文字が無ければ、絵はがきですね。
なので、誰に出す絵手紙なのか、あの人元気にしているだろうか、自分は今、何を思っているのか等々楽しみながら考えましょう。
トマトにアクセントとして輪郭線を少し入れ、言葉を入れて落款を押して、完成!
どうでしたか?あなたにも描けそうじゃありませんか?
紙と絵の具を出して、是非試してみて下さいね。
⑨ミニトマトの絵てがみが完成!

【まとめ】
使用した紙=アルデバラン紙(ポストカードサイズ)
使用絵の具=ブリリアントピンク、レモンイエロー、カドミウムイエロー、イエローオーカー、セルリアンブルー
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